イルトゥトゥミシュ・ユルディズ・カバチャの三つ巴

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西暦1,211年
シャムスッディーン・イルトゥトゥミシュ率いる軍が、第2代奴隷王朝スルターンのアーラーム・シャー率いる奴隷王朝軍をデリー郊外で破り、シャーや、イルトゥトゥミシュの権力掌握に抵抗する貴族を殺害する。イルトゥトゥミシュは、首都をラホールからデリーに遷都させ、第3代奴隷王朝スルターンに即位した。又、此の機に乗じて、ムルターン(現在のパキスタンのパンジャーブ州)のムスリム総督ナースィル・ウッディーン・カバチャがラホールを占領した。此の頃、奴隷王朝の、デリーのヒンドゥー教の首長に対する支配は弱まっており、ランザンボア(現在のインドのラージャスターン州)や、ジャロル(現在のインドのラージャスターン州)等の首長の一部は独立を宣言していた。デリーの属国を管理していたムスリムの役人数名はイルトゥトゥミシュの権威を認めなかったが、此の一連の遠征でイルトゥトゥミシュは、以下の都市の支配を再確立した。
①ブダウン(現在のインドのウッタル・プラデーシュ州)
②アワド(現在のインドのウッタル・プラデーシュ州)
③バラナシ(現在のインドのウッタル・プラデーシュ州)
④シワリク(現在のインドのウッタル・プラデーシュ州・現在のネパールのチャッティースガル州)
イルトゥトゥミシュが対立者達を平定すると、タージ・アルディン・ユルディズは、チャトルと、権威の象徴である杖のダルバシュを贈った。これは、イルトゥトゥミシュが、ユルディズの従属的な支配者である事を意味していた。しかしイルトゥトゥミシュは、直ちにユルディズと対立する事を望まず、此れを受け取った。其の後間も無くユルディズは、ホラズム人の侵攻を受け、ガズニーを去り、東方へ向かった。

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