従兄弟関係にある進化論のダーウィンと優生学のゴルトンの往復書簡

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西暦1,853年7月24日
チャールズ・ダーウィンが、自身の従弟で遺伝学者のフランシス・ゴルトンの著作である「熱帯南アフリカの探検家物語」を読了した感想として、ゴルトンへ書簡を送る。ダーウィンとゴルトンは、共通の祖父として医師エラズマス・ダーウィンを持ち、ダーウィン家とゴルトン家は長年の交流が有った。書簡の内容は以下の通り。
私達の知り合いが長い間途絶えていた後で、私から手紙を受け取って驚かれるかもしれません。しかし、私は昨夜、貴方の本を読み終え、非常に興味深く感じたので、貴方の探検と其の素晴らしい記録に対する私の賞賛を表現する誘惑に抗えませんでした。貴方は多くの優れた識者から称賛を受けているでしょうから、私の言葉など気にされないかもしれませんが、貴方の本の精神とスタイルをどれほど強く賞賛しているかを伝えたくてなりません。貴方はどれ程の労苦と危険を乗り越えて来たのでしょう。私は貴方が其れ等を生き延びられたのが信じられません。貴方は以前はそれ程強そうには見えませんでしたから、貴方は自身の南アフリカのワゴンと同じくらい頑丈に違いありません!もし貴方がいつか私に手紙を送る気があるなら、貴方の将来の計画と何処に定住する積もりかを聞かせて頂けると大変嬉しいです。私は、外見は強そうですが、体が弱っている為、殆ど家を離れません。其の為、ロンドンで貴方に会う機会は殆ど無く、地理学会のメンバーから貴方の噂を聞くだけでした。私はケントのファーンボロー近郊のダウン(イギリスのロンドンのグレーター・ロンドン)という村に住んでおり、動物学に携わっています。しかし、私の研究対象は非常に小さなものばかりで、犀やライオンに慣れた人には、途方もなく取るに足らないものに思えるでしょう。私達は今、子供達7名全員を連れて、数週間海水浴の為に此処に来ています。貴方の兄弟のダーウィンとエラズマスに就いて何か聞かせて頂けると嬉しいです。私はラーチズ(イギリスのランカシャー州プレストン)での楽しい訪問をはっきり覚えています。何年も前の事ですが、彼等と一緒に鐙無しでポニーに乗って何度も散策したものです。貴方の家族で此処数年会ったのはエマだけです。数年前のバーミンガムの英国科学振興協会で、私と妻に非常に温かく挨拶してくれました。此の手紙で貴方を煩わせているのを謝るべきかどうかわかりませんが、私を駆り立てた精神が私の言い訳です。どうか信じてください。

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